彼女が車に惹かれたのは今も趣味として継続しているサックスを始めた学生の頃。サックスを始めるきっかけとなった憧れのプロ奏者の方がアルファロメオに乗っていた。それがとてもかっこよく目に移った。
憧れの大人の方はかっこいい車に乗るものなんだ・・・と思ったそう。
「免許を取得し、マイカーを購入する際に自分がかっこいいと思う車を選びたかったのですが、車は動けばいいのだからと、両親の薦める車を購入することになりました。今振り返ると自分で購入するのに、おかしな話なのですが、とても両親が厳しくて(苦笑)。」
でも結局、自分で選んでいない車は愛情を注ぐこともできず、車を乗らない日々が続き、いつしかペーパードライバーになってしまった。
そんな彼女が再び、自分で好きな車をもう一度買い直そうとなったきっかけは、ベルギーへサックスのコンクールを見に行ったとき。出かけた先で電車が停まってしまい、立ち往生していたときに、親切な老夫婦が駅まで車で送ってくれた。その車がアルファロメオだった。
素敵な老夫婦の様子も重なり、改めてイタリア車の良さを体感する。
帰国後、色々な車を見て琴線に触れたのが、オペラボルドーという特別色を身にまとった、限定車フィアット500 Collezione(コレッツィオーネ)。
10年以上、ペーパードライバーだったにも関わらず、心のままに勢いで購入。新しい相棒を手に入れてからは、日々、車とのコミュニケーションを図るようになった。
「不思議ですよね、それまでも車は会ったのに全く乗らなかった。でも今の車に出会ってからは少しずつですがあちらこちらに出かけています。」
自分が乗りたい車だからこそ、愛情もひとしお。フィアット500に出会ってから改めて、彼女の車生活は始まった。
選ぶ車によって人生の彩りも変わる。自分の心に響くかどうか・・・それもまた、車を選ぶ際の大事な要素となることを改めて彼女に教えてもらった気がする。